BAS主催、UCSFセミナー 7月11日(金曜日)午後7時

 今回のUCSFセミナーでは、UCSF-Department of Neurologyの平野 有沙さんに、 サーカディアンクロック(体内時計)制御の核心に迫った研究についてお話しいただきます。
 医療や研究の場にとどまらず、日常生活の様々な場面でも目にするようになった「体内時計」というワード。イメージとしては、古時計の振り子が規則正しく左右に揺れながら時を刻む様子が浮かびますが、私たちの体の中にある時計はどのような形をしていて、どのように制御されているのでしょうか? 平野さんは東京大学・大学院理学研究科にいらしたときに、ホ乳動物のサーカディアンクロックを制御する重要な仕組みを解明されました。その研究成果は、昨年、 表紙のイラストが目を惹いたCell誌に掲載されています(http://www.cell.com/cell/issue?pii=S0092-8674%2813%29X0005-4)。
セミナーでは、この身近なテーマについて、研究成果を交えながらお話しいただく予定です。みなさん、奮ってご参加ください。

演題:
「F-box型E3リガーゼによるマウス体内時計の制御機構」

講演者:
平野 有沙 (Hirano, Arisa)

所属:
Department of Neurology, UCSF

日時:
7月11日(金)18:30 開場 => 19:00 講演開始

場所:
UCSF Mission Bay Campus, Genentech Hall N-114 (1階)
600 16th St, San Francisco, CA 94158

会場の案内:
建物の入り口(扇形の階段の左下)にあるインターフォンで警備員を呼び、扉を開けてもらい、建物内の警備デスクで入館手続きを済ませて下さい。入館時にPhoto IDの提示を求められますので、運転免許証などをご持参下さい。

参加費:
$5(軽食を用意します)、学生無料

申し込み:
7月9日までに、勝野まで連絡願います。
講演要旨:
 地球上の多くの生物は自律的に振動する時計機構を備えており、約1日の周期を刻む体内時計は概日時計と呼ばれます。概日時計は、睡眠•覚醒といった個体の行動リズムや代謝リズムを制御しています。体内時計の破綻は、不眠症や癌など多くの疾患をもたらします。眠らない社会•24時間型社会と呼ばれる現代社会においては重要な研究分野であり、身近に感じられる研究テーマです。
 概日時計の発振系は、いくつかの時計遺伝子の転写・翻訳を介したフィードバックループを基本骨格としています。ほ乳類では、Cryptochrome (CRY) タンパク質が、E-boxを介した時計遺伝子の転写活性化を強力に阻害し、概日時計の発振において中心的な役割を果たします。2007年に、CRYはF-box型E3リガーゼであるFBXL3によるユビキチン化を受け、プロテアソームにより分解されることが発表されました。一方、私共は、FBXL3に最も近縁の F-boxタンパク質であるFBXL21がCRYをユビキチン化して安定化する新しい制御機構を発見しました。これらの遺伝子欠損マウスの行動リズムを調べたところ、Fbxl3欠損マウスは極めて長い周期の行動リズムを示すこと、さらにこの長周期性がFbxl3/Fbxl21の二重欠損マウスにおいては著しく緩和されることが明らかになりました。重要なことに、二重欠損マウスの一部は恒暗条件において行動リズムが消失しました。近縁な2種類のF-boxタンパク質によるCRYの拮抗的な制御は、適切なCRYのタンパク質量の変動を生み出し、概日時計の振動を維持するのに必須であると考えられます。

【報告】

今回のUCSFセミナーでは、UCSF-Department of Neurologyに4月にいらした平野 有沙さんに、東京大学・大学院理学研究科・深田吉孝研での研究を中心に、サーカディアンクロック(体内時計)制御について、総説的なお話に始まり、非常にホットな分子制御機構に迫った興味深いご講演をして頂きました。
サーカディアンクロックは、PER/CRYによる転写抑制因子により厳密に制御されています。平野さんは、FBXL3とFBXL21という近縁分子が同じCRYをユビキチン化の標的として分解/安定という、陰/陽に働いているという分子機構を明らかにされました。そのインパクトの高さは、Cell誌の表紙にも表現されていると思います。最後に平野さんにはこの表紙絵の裏話もして頂き、大変面白いセミナーとなりました。
さらに研究の幅を広げるべく、今は同じくサーカディアンクロック研究の先端を行っているUCSFの研究室に留学されているそうです。今後のご活躍をお祈りしています。

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