BAS主催 UC Berkeleyセミナー 6月27日(金曜日)午後七時

今回のベイエリアセミナーは、UC Berkeley, Department of Chemistryで博士課程に在籍中の甲斐洋行 (Kai, Hiroyuki)さんに、ナノ加工ガラス基板を用いたT細胞受容体ミクロクラスターの動的挙動についてのお話をしていただきます。甲斐さんの所属するラボでは、ガラス基板上に流動性のある脂質二重膜を形成し、リガンドを付加して人工細胞膜 とし、生きた細胞を接触させて受容体の動的挙動のイメージング研究を行っています。甲斐さんはT細胞膜上のT細胞受容体(TCR)が、ペプチド-MHC複合体(pMHC)を認識し、それがどのように活性化されるかの動的過程を研究されています。今回は全反射照明蛍光顕微鏡(TIRF)による実時間観察などで、TCRのクラスタリングの動的過程を解析した研究についてお話しして頂きます。化学、工学、医学に関連する研究発表ですので、様々な分野の研究者の方の参加をお待ちしております。

日時
6/27 金曜日 UC Berkeley, Li Ka Shing center, 4F セミナー室
6:30 開場、7:00~ セミナー

参加費
$5(ピザ、ビール、ソフトドリンクを用意します)、学生無料
準備の都合上、参加希望の方は前日までに山口までご連絡ください。

演者
甲斐洋行 (Kai, Hiroyuki)

所属
UC Berkeley, Department of Chemistry, Jay Groves Lab.

タイトル:ナノ加工されたガラス基板を用いたT細胞受容体ミクロクラスターの動的挙動の観察

要旨:
T細胞の活性化は非常に高感度・高選択的なシグナル伝達系であり、そのメカニズムに興味が持たれている。T細胞表面にあるT細胞受容体(TCR)が、接触した抗原提示細胞(APC)表面のペプチド-MHC複合体(pMHC)を認識することでT細胞の活性化が開始される。一つのT細胞あたり数個程度のpMHCで活性化が可能であり、また、異なるペプチドのたった一残基のみの違いを識別して活性/非活性を切り替えることができる。

TCRがpMHCを認識すると、リン酸化されたTCRがミクロクラスター(直径数百nm以下)を作り、ミクロクラスターが細胞表面上を輸送されて中心クラスター(直径数um)を形成し、そこで脱リン酸化が起こる。TCRのミクロクラスター形成とその輸送という、時空間的な組織化がT細胞の活性化の制御に重要な役割を果たすと考えられているが、ミクロクラスターのサイズが光学顕微鏡の解像度よりも小さいこと、また、この動的過程が数秒から数分という短い時間スケールで起こることなどから、詳細なメカニズムの解明は困難であった。

Groves Labでは、ガラス基板上に流動性のある脂質二重膜を形成し、リガンドを付加して人工細胞膜とし、生きた細胞を接触させて受容体の動的挙動のイメージング研究を行っている。全反射照明蛍光顕微鏡(TIRF)を用い、ガラス基板近傍のみに励起を限定することにより、実時間一分子観察などの高感度イメージングが可能である。

本セミナーでは、人工細胞膜上に一定の間隔で多数のナノ粒子を配置することでミクロクラスターのサイズを測定した結果を紹介する。ナノ粒子の存在下においては、ナノ粒子の間隔よりも小さいミクロクラスターのみが細胞表面上を移動でき、TCRのミクロクラスターのサイズがpMHC上のアゴニストペプチドの濃度によって連続的に変わることが示された。
(論文 http://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/nl404514e ハイライト記事 http://www.nature.com/nchembio/journal/v10/n6/full/nchembio.1540.html
ベイエリアセミナーとは
Japanese San Francisco Bay Area Seminar は生物学・医学に関するセミナー開催を中心的な活動として研究者支援を行っている非営利団体です。

 
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