UC Davisセミナー 3月9日(金曜日)午後7時

今回のセミナーでは、昨年秋にデービスにいらした兪 炳匡(ゆう へいきょう)さんに、「日本の医療制度の今後」をお話ししていただきます。兪さんは、日本で医師としての臨床経験を経て、米国で医療経済学(PhD)の教育を受けた後、米国の代表的な大学・研究機関に17年間在籍し、今回のセミナーで取り上げるLancet誌の日本特集論文(2011年)や、「『改革』のための医療経済学」(メディカ出版;日本経済新聞エコノミストが選ぶ「経済・経営書」ベスト14位(2006年))を通じて、医療制度改革案を医療経済学・国際比較の視点から提言されています。医療制度に留まらず、社会保障制度さらには社会制度全般について、日本では何が問題になっているのでしょう?日本の今後は?このセミナーでみなさんと一緒に議論しましょう!

日時:3月9日(金曜日)午後6時30分開場、講演7時開始
場所:Plant Reproductive Biology Bldg、 セミナー室
建物の入り口には案内係を配置しますが、もし入ることができなければ田嶋(530-574-3913)まで電話をください。

講師:兪 炳匡 (ゆう へいきょう), MD, MS, PhD
YOO, Byung-Kwang, MD, MS, PhD

所属:米カリフォルニア大学デービス校
医学部公衆衛生学講座 准教授(専門は医療政策・経済学)
Associate Professor
Department of Public Health Sciences
UC Davis, School of Medicine

演題:日本の医療制度改革が進まないのはなぜか
Why Japan’s healthcare system reform has been delayed?

参加費:$5(ピザ、ビール、ソフトドリンクを用意します)、学生無料

準備の都合上、参加希望の方は前日までに田嶋までご連絡ください。
それでは、当日お待ちしております!
兪 炳匡 (ゆう へいきょう), MD, MS, PhD 略歴:
大阪府生まれ。北海道大学医学部卒業後、国立大阪病院で臨床研修。1997年ハーバード大学より修士号(医療政策・管理学)、2002年ジョンズ・ホプキンス大学より博士号(PhD,医療経済学)取得後、2002-04年スタンフォード大学医療政策センター研究員(2004年以降非常勤研究員)、2004-06年米国厚生省・疾病管理予防センター(CDC)エコノミスト。2006年よりニューヨーク州ロチェスター大学医学部助教授として、医療経済学の研究と教育(大学院生を対象に医療経済学を講義・研究指導)に従事。2006年7月に「『改革』のための医療経済学」(メディカ出版;日本経済新聞エコノミストが選ぶ「経済・経営書」ベスト14位(2006年))を出版。2011年9月より現職。過去の研究は、高齢者介護制度の国際比較研究、大規模感染症時の公共政策(予防接種を含む)の経済評価、プライマリーケアの需要・供給分析、日本の医療保険制度改革、遺伝子スクリーニングを含めた予防医療の経済評価など広範囲にわたる。

講演要旨:
昨年(2011年)は、日本で国民皆保険達成から50周年にあたり、日本の医療の経験と今後の改革案を国際社会に発信するため、医学のみならず医療政策の分野でも高い影響力を持つLancet誌上で、日本特集が組まれました。このLancet特集論文の1つで発表した公的皆保険制度の財政状況を改善する改革案を、本セミナーで紹介します。また、Lancet特集の一連の論文が提言する個々の改革案を実現する上で何が障壁になるのかを、拙著「『改革』のための医療経済学」(2006年出版)で議論した点を踏まえつつ、説明します。更に、医療経済学では確立され、特に先進国で共通する知見ながら、日本ではほとんど知られていないエビデンス(例:予防医療は総医療費を高騰させる。高齢化は医療費をほとんど増加させない。)を紹介します。最後に、医療制度の諸問題の一部は医療経済学で(かなりの程度まで)シロクロがつきますが、医療経済学者を含めた「専門家は答えを出せない(出すべきでもない)問題」を提示し、みなさんと議論したいと思います。この問題を解決する糸口が見出されば、同根の問題を抱える日本の社会保障制度、さらには「失われた20年」を経た現在まで停滞している社会制度全般の改革に繋がると期待できます。

道案内:
Bay AreaからI-80Eで来られる方
I-80EからCA-113 North toward Woodlandに入り、Hutchison Drive Exitを出てからHutchison Drを右折してください。Hutchison Drを進んで一つ目の信号を越えると、信号の無い左折箇所 (Old Hutchison Dr) が出ますので、そこを左折してください。右手が駐車場となっています。 Plant Reproductive Biology Bldg は、駐車場の向かいに位置する交差点左折後二つ目の一階建て建物です。
Sacramento 方面よりI-80Wで来られる方
Davis市内を通過した後、上記の通り、CA-113 North toward Woodlandから来てください。
DavisMap.jpg

★セミナー報告★
増え続ける国債と伸び悩む税収。私たちは日本の財政が破綻する危機を目前にしています。兪さんはこの問題の解決策として、医療制度改革の必要性を説いています。これまでの医療政策では目的がはっきりしていない、つまり、全員を救うための政策なのか(ヨーロッパ型)、社会的弱者が痛みを伴うのはしかたがないとする政策なのか(アメリカ型)が明確でないため、大きな効果をあげていないと指摘されました。まず目的を決めたのちその方針に向けて改革を進めなければいけませんが、それには正確に多くのデータを収集して現状を把握し、急激にではなく徐々に改革を進めていかないと、現状より悪化するおそれがあることがわかりやすく説明されました。また、医療現場をご存知の視点から、どのように予算を医療業界に分配すれば人々の役に立ち、経済効果もあるのか、具体的な提案もあり勉強になりました。当日は19名の方が集まりましたが、多くが生物系基礎研究の研究者である中で、みなさんからは自分に直面する問題として理解を深めるかのように、たくさんの疑問質問がわきおこりました。
ベイエリアセミナーとは
Japanese San Francisco Bay Area Seminar は生物学・医学に関するセミナー開催を中心的な活動として研究者支援を行っている非営利団体です。

 
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